ビジョンと情熱 ~安形真のblog~

農にまつわる仕事。地域を元気にする仕事。あとちょっとだけ日記っぽいもの。

三河の山里 起業実践者報告会を終えて

1月30日、新城文化会館大会議室にて6月からスタートした愛知県主催「三河の山里起業実践者事業」の報告会が行われました。

 

今年度の起業実践者は8人。

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彼らの約8か月の成果を報告するオープンな場。

前年は観客として見に行ったのですが、観客が行政の関係者ばかりで民間からは僕と数人程度。それを考えると今年は一般の観客が50人くらいいて少しずつですが、こういうことについて興味を持ってくれる人が増えているようで嬉しいです。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

一方で来場者の内訳をエリア別で見てみると、豊田市の方が多かったように思えます。起業実践者8人中4人が豊田で起業をするということで関心が高かったのかもしれませんが、この数字がそのまま地域の移住定住に向けた熱心さに表れているような気もします。

 

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発表の後の質疑応答では前年度起業実践者として参加されていた方や市議会議員の方が熱心に質問をしてくださり、良い雰囲気になっていたと思います。

個々の発表内容についてはここでは割愛しますが、新城市議会議員の竹下修平さんがブログで紹介してくれておりますので興味のある方はこちらからどうぞ。

 

shuheitakeshita.com

 

今年は運営側としてお手伝いをさせていただくこととなり、起業実践者に伴走しながら8か月間ともに悩んで来ましたが、この場は僕ら運営側の成果発表の場でもありました。

実際、ある起業実践者についてよく知る人からは「この期間何やってたんですか?全然変わっていないですよね?」とお叱りの言葉をいただくこともありました。そのとおり。しかしこれはなかなか難しい問題で…支援スキルの問題もありますが起業家自身の問題もあります。決して他責にするわけではないのですが、我々の問いやアドバイスを受け止めたうえで最終的に決めるのは起業家であり、行動するのも起業家です。彼らが決めたことが彼らの事業なのです。

こういう事情もあり、起業家の器の大きさが事業のスケールを決めることが多々あります。起業家の成長を促すというか壁を突き抜けるというか、そのために各起業家のパーソナリティを見ながら支援チームで厳しい役やフォローする役に分かれたりしてガチンコでぶつかっておりました。時に他所から助っ人を呼んできては刺激を与えたり揺さぶったり。そんな真剣勝負をやり続けているものですから嫌われることもありますが、結果が出始めた起業実践者からは信頼関係ができてきたりして非常にやりがいのある仕事だと思っています。

 

話が横に逸れてしまいましたが、僕の聞く限りでは概ね評判は良かったと思います。特に行動が報告に出ていた起業実践者は非常に説得力があり、行動してきたからこそわかる具体的な課題が今後のスケジュールの部分で解決に向けて語られていたのはとても良いことだと思いました。金銭的にも支援されていて、失敗してもそこまでダメージがない今だからこそ、スピーディーに小さな挑戦とその結果の検証・評価を繰り返していきながら「これはイケそうだ」と思える手ごたえがあるところまでたどり着かせるように支援してきたんですが、それが観客にも伝わったような気がします。

 

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また、起業実践者たちから同じステージの仲間がいてくれたことが非常に良かったという話がありました。起業家はうまくいくのか分からない不安と、誰に相談していいのか分からない孤独と闘っているんですが、仲間がいることで励みになって頑張れます。このような起業家のコミュニティや拠点を作っていくことは、起業の支援を行う上で非常に重要だということを再認識させていただきました。幸い、今期のメンバーは非常に仲が良いですし明るく雰囲気が良いです。より良いチャレンジャーの生態系が生まれていくように今後も支援出来たらと思っています。

 

愛知県の担当者さんからはお褒めの言葉をいただいたのですが、今後のこの仕組みをより良く運営していくためにはまだ改良点があります。会場に僕が知っているだけで5人の現役の地域おこし協力隊(1~2年目)の人たちがいました。興味を持ってくれているんだろうなぁと思うんですが、もし彼らが来年、起業実践者にエントリーしようとしても残念ながら利用はできません。重複して所属できないからです。

前々から言っているのですが、地域おこし協力隊を支援する行政の方たちは地域の状況を知っているプロではありますが、民間事業とは最も遠いところにいる人たちです。行政は起業は促せても起業家を理解することはできないのではないでしょうか?そこに齟齬が生じて不幸な協力隊が全国で生まれています。

参考までにこんな記事を紹介しておきます。記事をシェアしたら珍しくたくさん「いいね」がついた記事です。→地方は若者の「起業家」を使い捨てにしている | 地方創生のリアル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

一方、本事業は「起業で移住してもらう」という目的ですので、奥三河の自治体の協力隊のニーズに合っていると思います(事業承継ニーズもありますが…)。本事業で2年間の培ったものがこれから起業しようとしている既存の協力隊の人たちにはきっと役に立つでしょう。ですので「協力隊として所属しながらも利用できる選択肢」として、本事業をバージョンアップさせていけたらいいなぁと思います。その詳細はこれから愛知県を含め詰めていけたらと思います。

 

今回、多くの市民の方に見てもらったので、皆さんの税金がより有意義に使われているのを見せるのも責務だと思っています。ですので来年度も見に来て、厳しい意見をください(この事業があったらですが汗)

本事業はあと2か月あります。起業実践者に対しては引き続き嫌われることも言いながら、彼らの2~3歩先を見通しながら半歩先を照らすような問いを投げかけていきたいと思います。