ビジョンと情熱 ~安形真のblog~

起業支援によるまちづくり。起業の拠点となるコワーキングスペース運営(2店舗)。好きなものはマンガ、アニメ、キャンプ。

週末の2つの出来事 ~はたらく、暮らす、社会と関わる~

この週末は刺激的で学び・気づきの多い2日間になりました。

3日(土)は第2回関のソーシャルビジネスプラン大会へ昨年に引き続き審査員としてお邪魔させていただき、4名の熱い想いを聞きビリビリと刺激を受けてきました。

 

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ソーシャルビジネスというのはまだまだ浸透されていない言葉かもしれませんが、社会課題をビジネスの手法をもって解決していこうという取り組みです。ボランティアではなくビジネスで、というのは「稼ぎたいから」ではなく「継続して取り組めるから」です。継続していかなければ解決できないですし、お金がないと継続できない、という観点から今後税収が減っていく状況下ではソーシャルビジネスは今後期待値がドンドン高まってくると思います。

今回の4人のテーマは「過疎地域を持続可能にする」「在宅介護疲れの人を救いたい」「マイクロ水力発電で獣害被害を救いたい」「産後ケアでママの笑顔を作りたい」ということで、それぞれが普段目にする社会の課題をどうやって解決していくのかというプランを発表してくれました。どのプレゼンターも熱心さが伝わってきた素晴らしいプレゼンだったと思います。

一方でまだまだ「社会課題の解決」へのストーリーが弱かったように思いました。その部分をプレゼンターの方々は考えていただいて、関-bizさんやNPO法人ぶうめらんさんに手伝ってもらいながら前に進んでいってほしいと思います。関市はサポートできる人たちが揃っているので非常に恵まれている場所です。今後も担い手が生まれ育っていくのを期待し、僕たちのまちもそれに負けないように頑張っていけたらと思います。

 

おまけ。関市の板取にあるモネの池。カメラ通すと綺麗になる不思議な池でした。

 

4日(日)は豊田市おいでん・さんそんセンターさんの「いなかとまちのくるま座ミーティング」にお邪魔してきました。

 

 

豊田市トヨタ自動車のイメージが強いんですが、平成の大合併で山村部と一緒になっています。その都市と田舎の関係性を5年間の活動を振り返りながら、これからの関係性を考えるという取り組み。

豊田の山村部は豊森なりわい塾地域スモールビジネス研究会などの取り組みが早くから行われていて、ある地域では小学校の生徒数が増加するくらい移住が盛んな地域です。その仕掛けの丁寧さとキーパーソンの存在、何よりも住民も行政も関わっている人たちも真剣に積み重ねてきた実績が圧倒的な説得力をもって胸に響きました。官からお金が落ちてきた時点で民は受け身になるという渋沢寿一さんのお話も。自治って何でしょうね、ほんとに。協働のあり方にもつながります。

その5年の積み重ねをもって都市と田舎を比較するのではなく、それを包摂する概念を作り上げていった話にも非常に感銘を受けました。きっと今後も同じように対話と行動から新しい考えを生み出し、時代とともに進化し未来を創造するポジションを取り続けていくだろう強さを感じました。

分科会では地域によって「暮らし」重視型か「稼ぎ」重視型があるんじゃないかという仮説の下に豊田市だけでなく新城市設楽町東栄町から移住者のゲストを招き、くるま座で話し合うという企画に参加しました。ここでの学びはなんとも言葉にしにくくまとめるのは難しいのですが、自分と違う価値観の中での対話は内省にも役に立つのでこのモヤモヤした気持ちをしばらく持ちながら言語化できたらいいなと思います。

最後のまとめでは豊田市長が最近行われた「SDGs推進国際シンポジウムinとよた」での振り返りを元に、先進国と途上国の関係性と都市と田舎の関係性が似ていると延べ、実は双方向に作用しあっているという話が印象的でした。ただ豊田市の場合、1つの自治体で完結できるスケールがあるというと思うのですが、すでに消滅可能性都市として全国平均の20年とか50年とか先を行ってしまっている自治体にはなかなか単一では真似できないモノなのかなと思います。さて新城市はどうなんだ…?

 

この2日間は多くの学びとこれからの課題を考えることができた貴重な時間でした。

共通点をあえて挙げるならば「目的」や「ゴール」は大事だなと。そこを深めるのには時間をかけての対話と、思考と行動、そして振り返ること。地道にやる以外はないんですが、それを徹底的にやるためには中間支援団体の在り方が重要な気がします。

実は3月から愛媛に移住して中間支援団体で仕事をすることになりました。その話題は明日、別稿に寄せることにしますが、心構えとして非常に学びある2日間になりました。関係者の皆様、ありがとうございました!