ビジョンと情熱 ~安形真のblog~

起業支援によるまちづくり。起業の拠点となるコワーキングスペース運営(2店舗)。好きなものはマンガ、アニメ、キャンプ。

5月のラボメンバー募集説明会@東京とテレビ出演のお知らせ

先日のブログにも書かせていただきましたが、4月28日よりラボメンバーの募集が始まりました!

 

agata-makoto.hatenablog.com

  

西条市では10人のラボメンバーを募集しますが、その詳しい内容を知りたい方はまずは説明会にご参加いただけたらと思います。

NCL西条の説明会は2日間で計4回。

 

・5月19日(土) 午前の部 10時~ 、午後の部 15時~

・5月20日(日) 午前の部 10時~ 、午後の部 15時~ 

 

場所はNCLの新拠点「HUMANS」(東京都渋谷区神宮前6-27-4東武第二ビル2階)で、当日はNCL奥大和(奈良県)との合同開催になります。

説明会ではNCLの概要説明から始まり、既にスタートしている他地域のラボメンバーの話が聞けたり、西条と奥大和のプロジェクトの詳細が聞けます。質疑応答では気になったプロジェクトの中身を掘り下げて聞いてみたり、その土地の暮らしなどを聞いたりできます。コーディネーターやプロジェクトパートナーにどんな人がいるのかな?と見に来るのも良いかと思います。

 

予約はこちらから⇒説明会申込ページ

皆様のご参加、お待ちしております!!

 

ちらっと暮らしの話が出ましたが、今朝、西条市のことを取り上げてくれた移住番組が放送されました。なんと全国放送で。そこにちらっと私も出ております(笑)

webでも見られますのでお時間のある方はご覧ください~。

西条市は移住にも力を入れております!

 

iiyado.tv-tokyo.co.jp

 

もひとつ、西条で応援しているクラウドファンディングのお知らせも。

こちらもよろしくです。

faavo.jp

Next Commons Lab西条、ラボメンバー募集開始!

ようやく書ける~!

様々な人たちと関わり合いながら行うプロジェクトは、調整や情報発信のタイミングに気を遣いますね。大勢の方に協力していただいて、昨日、ラボメンバー(=起業家)募集の特設ページがUPされました。晴れて公開できたことに喜びの感情が抑えきれません。

 

project.nextcommonslab.jp

 

カッコいいページですよね。

「これからの日本の風景を変える、50人の起業家を求む」

このキャッチもクールです。

 

3月に着任して、「人間らしさを源泉とした産業創造」というスローガンに向き合い、西条市の未来に必要となるであろう10個のプロジェクトを考え続けてきました。

内訳は①スポーツアクティビティ、②フードディレクター、③Fun to Farm、④ローカルプロダクション、⑤マイクロワーク、⑥HUBベトナム、⑦自由提案。①は3名、③は2名の募集となり、合計10名の起業家(※)を募集します。

※この起業家のことをNext Commons Labではラボメンバーと呼んでいます。

 

傾向としては西条市のポテンシャルを最大化するようなプロジェクトが多いです。スポーツアクティビティ(①)では、西日本最高峰の石鎚山をはじめとする豊かな自然フィールドの活用に多くの事業化の可能性がありますし、フードディレクター(②)を育てることによって農産物の高付加価値化のスピードとクオリティを高めていくことができるでしょう。ローカルプロダクション(④)は地域に眠る資源の磨き上げを行い、丁寧にリブランディングを行うプロジェクト。HUBベトナム(⑥)は今年4月からベトナムのフエ市と友好都市となったことを契機に、起業家が行き来することであらゆるビジネスの可能性を模索するプロジェクトです。

社会的実験の要素が強いものがマイクロワーク(⑤)。マイクロワークはブロックチェーン技術を使い小さな地域内経済圏を創出、その中の社会資本関係を可視化し、住民とあるべきまちの形を考えて、仕組み作りを行います。エンジニアというより、現場で人と人とをつなぎコミュニティを醸成できる人物が望ましいです。

今後、社会課題として顕在化するものに対処するプロジェクトもあります。Fun to Farmプロジェクト(③)は市が抱える将来の農業者数や耕地面積の課題と、現在の地域の農家が抱える課題を同時に解決するためのソーシャルビジネスを考えていきます。ここには我々NCL事務局も一緒になって事業を立ち上げる可能性もあります。

自由提案(⑦)は西条市にある資源や課題を元に提案していただくものです。多種多様な資源がありますのでどのように切り取り活用するのかは起業家次第。ワクワクする事業提案をお待ちしてますw

 

上記がざっくりとしたプロジェクトの説明になります。

Next Commons Labで起業するメリットについてはまた次の稿に寄せたいと思います。

詳しくはHPで。それでも分からなかったら個別に連絡いただけたらと思います。

Web上ではすでにエントリーが開始(~6月8日)されております。募集説明会も開催されますので興味のある方は足を運んでいただけたらと思います。説明会日程は後日お知らせします。

 

僕ら3人(NCL西条事務局)と、地域の人たちと一緒に西条市を盛り上げていきましょう!

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最後に相談やヒアリングやご協力いただきました西条市の皆様、パートナーの皆様、本当にありがとうございました。

これでようやくスタートのための第一歩という形です。熱量のある起業家が西条市にやってきて、この町に化学反応を起こしていくことを信じて邁進していきます!

 

 

【追記】

愛知県で関わっている起業支援もあります。

三河の山里(豊田市岡崎市新城市設楽町東栄町豊根村)で起業したい方はコチラもご利用ください。エントリーは2018年5月11日17時締切です。

peraichi.com

 

ふらっと職場を出てみると、水の都を感じさせてくれるのでした

Next Commons Labは起業家たちを呼び込む拠点を作ることが特徴として挙げられるんですが、その拠点が出来上がるまでSICS(西条産業情報支援センター)に場所を借りて仕事をしています。

 

午後、気分転換に外に出てみると噴水や水が出るモニュメントが。

 

 

道を歩いていてもそこら中で水が出ていたりします。

この水は石鎚山(西日本最高峰)からの「うちぬき」という伏流水。

日本の名水100選にも選ばれていて、いわば町のシンボルです。

 

 

水飲み場もあります。

 

 

水が澄んでいて鯉も気持ちよさそうに泳いでいます。

職場から徒歩1分のところに素敵な憩いのスポットがあるのが嬉しいですね。

 

実はこの「うちぬき」、旧西条市の市街地では普通に水道水として使っていて、蛇口をひねれば出てきます。僕が住んでいるマンションでもうちぬき水が使い放題。

しかも、水道料金がかかりません。無料なんです。

西条市に引っ越してくるときに一番びっくりしたのがコレです。

 

「人間らしさを源泉にした産業創造」というお題でこの豊富な水資源はとても重要な気がします。

人類が200万年前から生活の拠点にしてきたのは水辺。

人間は水とともに生きてきて、水なしでは生きていけません。

ここに人間らしさを見出せるかもしれません。

 

※おまけ

さらに職場の向かい側にあるお菓子屋さんの「蔵はち」さん。

店員さんのおすすめの和三盆プリンをいただきました。

 

 

買ったその場でキャラメリゼしてくれます♪

とっても美味しかったです~。今度はどら焼きを食べようw

 

 

西条での活動がスタートしました

3月に入り、西条での活動がスタートしました。

これからNext Commons Lab 西条をきちんと起動させるために、拠点を整備し、起業家を呼び込み、ビジョンを反映させたプロジェクトを運営していきます。

これらの活動から西条市のスローガン

 

「人間らしさを源泉とした産業創造」

 

を形にしていきます。

人間らしさとは何か…というのは、これからもずっと立ち返り考え続ける命題になると思います。

考えれば考えるほど難しい言葉ですが、これからの世界で「人間らしい仕事」「人間らしい暮らし」はやれたらいいなレベルではなく、体現していかなければならないものになると思います。それを実践していくのに実は西条はぴったりだと思いますし、日本でトップランナーになれる地域だと思います。その理由はまた今度。

 

下の写真は就任式の時の一枚。

左が西条市の玉井市長、右がNext Commons Labの代表の林さん。

真ん中が西条でチームを組む3人です。他の2人は遅れて西条に入ってくるので、しばらくは1人で活動ですw

2人とも明るくニコニコしていて、ムードを作ってくれます。そして僕にないものを持っています。それをうまく借りて起業家たちをフォローしていきたいと思います。

 

引っ越しでバタバタして久々のブログになりましたが、この間、地元の方々から背中を押していただきました。

 

 

地元での活動はうまくいったり、いかなかったり色々ありましたが、全ての挑戦に意味があり、成長に繋がりました。それを温かく最後まで見守っていただいて本当に感謝しています。僕はこの地域に育てていただきました。

 

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大切な人たちを地元に残し、新しい場所で活動していくことは心苦しいと思うこともあります。しかし、多くの方からのエールがこの決断が間違っていなかったと思わせてくれます。

 

 

中でも「最強の敵になってくれ」というエールが面白かったです。

内からできることもあれば外からでもできることはある。そう気づかせてもらいました。

 

貴重な挑戦の時間がスタートしたので、無駄にしないように命を使っていきたいです。

迷いなく、今できることを精一杯スピーディーに。

明日も頑張ろうっと。

 

3月からNext Commons Lab西条にジョインします

ジョインするって一回言ってみたかった(笑)

 

ご報告が遅くなりましたが、3月より愛媛県西条市に新しくできる「Next Commons Lab西条」にチーフコーディネーターという立場で赴任することになりました。正式には個人事業主として、業務委託契約を結びます。

ネクストコモンズラボって何?って方は下記のサイトを参照してもらいたいのですが、

 

nextcommonslab.jp

 

なかなか理解するのが難しいかもしれないので、簡単に言うと

「行政&地域のプレーヤーと手を組んで、未来につながる10個のプロジェクトを起業家と共に立ち上げ、新しい産業と地域像を作り上げる」という地域の未来を作る仕事を行う事業だと考えています。この事業を行うためにネクストコモンズラボという中間支援機関を作り、産業づくりにおける様々な利害関係者を繋ぎ、プロジェクト(=起業)が円滑に進んでいくようにしていきます。そんな感じの仕事をします。今、愛知県と一緒にやっている起業実践者の仕事に部分的には結構近いんですが、本質的にはだいぶ違います。

現在、8つの地域で発足が決まっていて、(海士町も含めると9になります)、その地域ごとで特色が違いますし、その地域の個性を磨き上げ、ビジョンを示すというのが今後地域の持続可能性を考えたときに必要な観点です。こんなことやりたいなぁとずっと考えていたところ、そういう仕事ができるというので非常にワクワクしています。また多様なメンバーが全国にいるので、そこと繋がれるというのは魅力的。

 

当然、現場が愛媛県ということで移住することになります。

移住に関しては非常に悩みました。本心としては先述しましたがネクストコモンズラボのような仕組み(当時は西粟倉のイメージで)の仕事を新城でやりたいと思っていました。市役所にも協力を呼びかけました。が、自分の力不足もあり市の担当部署の反応は芳しくなく、このまま何年粘っても難しそうだし、今後の自分を考えたときに時代がすごいスピードで変化していく中で自分がこの地域でくすぶっていて、全国のスピードについていけない恐さが耐えられなかったです。ならば一旦離れ、変化の最先端地で血反吐はきながらでも成果を作ることにこだわった方が良いだろうと。様々な先輩や仲間に相談し、アドバイスをもらいながらこの決断に至りました。

 

この地域で手をかけて育ててくださった皆様には感謝の気持ちをお伝えしたいです。

本当にありがとうございました。

 

愛知県は似た仕組み(三河の山里サポートデスク)があり、現在スポットでお手伝いさせてもらっていますので、今期の契約分までは愛知県に帰ってきて仕事をしていきます。先日のブログのように愛知県の起業支援の仕組み自体は今後調整を行うことでより良い仕組みにできるのではないかと思っているので、そのあたりを詰めていきながら来年度に必要とされれば、また三河の山里で仕事をすることになると思います。帰省した際は遊んでいただけるとありがたいです。

ちなみに合同会社アグリホリック自体はそのまま残し、市民農園はそのまま運営しますし、委託業務もこなしながらという2刀流でやっていきます。

 

ちなみに西条市は車で行くと7時間くらいかかります。

西日本最高峰の石鎚山を有し、そこから湧き出る地下水を使うので水道代が無料です(一部だけだったかな?)。西条祭りというモンスター級の祭りもあって地域コミュニティもちゃんとありそうですし、大きな産直市場もあります。工業団地ではマンションみたいな船を作っていたり、クラレなどさまざまな技術を持った企業があります。

サッカーの長友選手の出身地でもあるので平愛梨さんとか生で見れたら嬉しいな(笑)

ちょっと遠いですけど、四国視察や観光の拠点として使ってください。地域活性化は中国・四国地方が結構アツいです。香川のうどんや今治のタオル、松山の道後温泉、サイクリングのしまなみ海道など全国区の観光地も近くにあります。2~3人くらいなら客間に泊まれるように用意しておこうかと思いますので、気楽に声かけてください。ジョジョも室内で飼うので平気な方のみになりますが…(;´∀`)

 

最後になりますが「地元なんとかしたいな」っていう気持ちは常にあります。多分移住してからも。プペル展をやってた時に新城出身で東京の人たちと知り合ったんですが、彼女たちも同じこと言ってました。実際、時期や機会があれば彼女たちは力になってくれました。自分もそうだと思います。地域に残り続けることで得るものもあれば、出ることによって得るものもあるだろうと思うし、人生100年時代と考えると今は柔軟に世界を見て回る時期なのだろうと思います。そう考えると西条市で必要としてくれたことには当然ですが、新城市で仕事が作れなかったことにも感謝したい。そういう巡り合わせの中で今後どう生きていくべきなのか、どうしたら未来のために役に立てるかを見極めていきたいと思います。

 

西条市の皆様、これからよろしくお願いいたします。

これまで培ってきたものを総動員しながら、日々学び成長し、必ず貢献します。

週末の2つの出来事 ~はたらく、暮らす、社会と関わる~

この週末は刺激的で学び・気づきの多い2日間になりました。

3日(土)は第2回関のソーシャルビジネスプラン大会へ昨年に引き続き審査員としてお邪魔させていただき、4名の熱い想いを聞きビリビリと刺激を受けてきました。

 

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ソーシャルビジネスというのはまだまだ浸透されていない言葉かもしれませんが、社会課題をビジネスの手法をもって解決していこうという取り組みです。ボランティアではなくビジネスで、というのは「稼ぎたいから」ではなく「継続して取り組めるから」です。継続していかなければ解決できないですし、お金がないと継続できない、という観点から今後税収が減っていく状況下ではソーシャルビジネスは今後期待値がドンドン高まってくると思います。

今回の4人のテーマは「過疎地域を持続可能にする」「在宅介護疲れの人を救いたい」「マイクロ水力発電で獣害被害を救いたい」「産後ケアでママの笑顔を作りたい」ということで、それぞれが普段目にする社会の課題をどうやって解決していくのかというプランを発表してくれました。どのプレゼンターも熱心さが伝わってきた素晴らしいプレゼンだったと思います。

一方でまだまだ「社会課題の解決」へのストーリーが弱かったように思いました。その部分をプレゼンターの方々は考えていただいて、関-bizさんやNPO法人ぶうめらんさんに手伝ってもらいながら前に進んでいってほしいと思います。関市はサポートできる人たちが揃っているので非常に恵まれている場所です。今後も担い手が生まれ育っていくのを期待し、僕たちのまちもそれに負けないように頑張っていけたらと思います。

 

おまけ。関市の板取にあるモネの池。カメラ通すと綺麗になる不思議な池でした。

 

4日(日)は豊田市おいでん・さんそんセンターさんの「いなかとまちのくるま座ミーティング」にお邪魔してきました。

 

 

豊田市トヨタ自動車のイメージが強いんですが、平成の大合併で山村部と一緒になっています。その都市と田舎の関係性を5年間の活動を振り返りながら、これからの関係性を考えるという取り組み。

豊田の山村部は豊森なりわい塾地域スモールビジネス研究会などの取り組みが早くから行われていて、ある地域では小学校の生徒数が増加するくらい移住が盛んな地域です。その仕掛けの丁寧さとキーパーソンの存在、何よりも住民も行政も関わっている人たちも真剣に積み重ねてきた実績が圧倒的な説得力をもって胸に響きました。官からお金が落ちてきた時点で民は受け身になるという渋沢寿一さんのお話も。自治って何でしょうね、ほんとに。協働のあり方にもつながります。

その5年の積み重ねをもって都市と田舎を比較するのではなく、それを包摂する概念を作り上げていった話にも非常に感銘を受けました。きっと今後も同じように対話と行動から新しい考えを生み出し、時代とともに進化し未来を創造するポジションを取り続けていくだろう強さを感じました。

分科会では地域によって「暮らし」重視型か「稼ぎ」重視型があるんじゃないかという仮説の下に豊田市だけでなく新城市設楽町東栄町から移住者のゲストを招き、くるま座で話し合うという企画に参加しました。ここでの学びはなんとも言葉にしにくくまとめるのは難しいのですが、自分と違う価値観の中での対話は内省にも役に立つのでこのモヤモヤした気持ちをしばらく持ちながら言語化できたらいいなと思います。

最後のまとめでは豊田市長が最近行われた「SDGs推進国際シンポジウムinとよた」での振り返りを元に、先進国と途上国の関係性と都市と田舎の関係性が似ていると延べ、実は双方向に作用しあっているという話が印象的でした。ただ豊田市の場合、1つの自治体で完結できるスケールがあるというと思うのですが、すでに消滅可能性都市として全国平均の20年とか50年とか先を行ってしまっている自治体にはなかなか単一では真似できないモノなのかなと思います。さて新城市はどうなんだ…?

 

この2日間は多くの学びとこれからの課題を考えることができた貴重な時間でした。

共通点をあえて挙げるならば「目的」や「ゴール」は大事だなと。そこを深めるのには時間をかけての対話と、思考と行動、そして振り返ること。地道にやる以外はないんですが、それを徹底的にやるためには中間支援団体の在り方が重要な気がします。

実は3月から愛媛に移住して中間支援団体で仕事をすることになりました。その話題は明日、別稿に寄せることにしますが、心構えとして非常に学びある2日間になりました。関係者の皆様、ありがとうございました!

 

 

三河の山里 起業実践者報告会を終えて

1月30日、新城文化会館大会議室にて6月からスタートした愛知県主催「三河の山里起業実践者事業」の報告会が行われました。

 

今年度の起業実践者は8人。

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彼らの約8か月の成果を報告するオープンな場。

前年は観客として見に行ったのですが、観客が行政の関係者ばかりで民間からは僕と数人程度。それを考えると今年は一般の観客が50人くらいいて少しずつですが、こういうことについて興味を持ってくれる人が増えているようで嬉しいです。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

一方で来場者の内訳をエリア別で見てみると、豊田市の方が多かったように思えます。起業実践者8人中4人が豊田で起業をするということで関心が高かったのかもしれませんが、この数字がそのまま地域の移住定住に向けた熱心さに表れているような気もします。

 

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発表の後の質疑応答では前年度起業実践者として参加されていた方や市議会議員の方が熱心に質問をしてくださり、良い雰囲気になっていたと思います。

個々の発表内容についてはここでは割愛しますが、新城市議会議員の竹下修平さんがブログで紹介してくれておりますので興味のある方はこちらからどうぞ。

 

shuheitakeshita.com

 

今年は運営側としてお手伝いをさせていただくこととなり、起業実践者に伴走しながら8か月間ともに悩んで来ましたが、この場は僕ら運営側の成果発表の場でもありました。

実際、ある起業実践者についてよく知る人からは「この期間何やってたんですか?全然変わっていないですよね?」とお叱りの言葉をいただくこともありました。そのとおり。しかしこれはなかなか難しい問題で…支援スキルの問題もありますが起業家自身の問題もあります。決して他責にするわけではないのですが、我々の問いやアドバイスを受け止めたうえで最終的に決めるのは起業家であり、行動するのも起業家です。彼らが決めたことが彼らの事業なのです。

こういう事情もあり、起業家の器の大きさが事業のスケールを決めることが多々あります。起業家の成長を促すというか壁を突き抜けるというか、そのために各起業家のパーソナリティを見ながら支援チームで厳しい役やフォローする役に分かれたりしてガチンコでぶつかっておりました。時に他所から助っ人を呼んできては刺激を与えたり揺さぶったり。そんな真剣勝負をやり続けているものですから嫌われることもありますが、結果が出始めた起業実践者からは信頼関係ができてきたりして非常にやりがいのある仕事だと思っています。

 

話が横に逸れてしまいましたが、僕の聞く限りでは概ね評判は良かったと思います。特に行動が報告に出ていた起業実践者は非常に説得力があり、行動してきたからこそわかる具体的な課題が今後のスケジュールの部分で解決に向けて語られていたのはとても良いことだと思いました。金銭的にも支援されていて、失敗してもそこまでダメージがない今だからこそ、スピーディーに小さな挑戦とその結果の検証・評価を繰り返していきながら「これはイケそうだ」と思える手ごたえがあるところまでたどり着かせるように支援してきたんですが、それが観客にも伝わったような気がします。

 

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また、起業実践者たちから同じステージの仲間がいてくれたことが非常に良かったという話がありました。起業家はうまくいくのか分からない不安と、誰に相談していいのか分からない孤独と闘っているんですが、仲間がいることで励みになって頑張れます。このような起業家のコミュニティや拠点を作っていくことは、起業の支援を行う上で非常に重要だということを再認識させていただきました。幸い、今期のメンバーは非常に仲が良いですし明るく雰囲気が良いです。より良いチャレンジャーの生態系が生まれていくように今後も支援出来たらと思っています。

 

愛知県の担当者さんからはお褒めの言葉をいただいたのですが、今後のこの仕組みをより良く運営していくためにはまだ改良点があります。会場に僕が知っているだけで5人の現役の地域おこし協力隊(1~2年目)の人たちがいました。興味を持ってくれているんだろうなぁと思うんですが、もし彼らが来年、起業実践者にエントリーしようとしても残念ながら利用はできません。重複して所属できないからです。

前々から言っているのですが、地域おこし協力隊を支援する行政の方たちは地域の状況を知っているプロではありますが、民間事業とは最も遠いところにいる人たちです。行政は起業は促せても起業家を理解することはできないのではないでしょうか?そこに齟齬が生じて不幸な協力隊が全国で生まれています。

参考までにこんな記事を紹介しておきます。記事をシェアしたら珍しくたくさん「いいね」がついた記事です。→地方は若者の「起業家」を使い捨てにしている | 地方創生のリアル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

一方、本事業は「起業で移住してもらう」という目的ですので、奥三河の自治体の協力隊のニーズに合っていると思います(事業承継ニーズもありますが…)。本事業で2年間の培ったものがこれから起業しようとしている既存の協力隊の人たちにはきっと役に立つでしょう。ですので「協力隊として所属しながらも利用できる選択肢」として、本事業をバージョンアップさせていけたらいいなぁと思います。その詳細はこれから愛知県を含め詰めていけたらと思います。

 

今回、多くの市民の方に見てもらったので、皆さんの税金がより有意義に使われているのを見せるのも責務だと思っています。ですので来年度も見に来て、厳しい意見をください(この事業があったらですが汗)

本事業はあと2か月あります。起業実践者に対しては引き続き嫌われることも言いながら、彼らの2~3歩先を見通しながら半歩先を照らすような問いを投げかけていきたいと思います。