ビジョンと情熱 ~安形真のblog~

起業支援によるまちづくり。起業の拠点となるコワーキングスペース運営(2店舗)。好きなものはマンガ、アニメ、キャンプ。

若者議会シンポジウムの裏でソーシャルビジネスの話をしていました

新城市の目玉政策「若者議会」。

色んな賞を取ったりして、全国色んなところから視察も来ているそうです。

 

詳しくはコチラから→wakamono-gikai.jp


市長の諮問機関として設置されていて、なんと予算が1000万円ついています。

すっげぇ太っ腹!

自分は34歳なのでこの若者議会の定義する「若者」には当たりませんが、若者がまちにインパクトを与えているのは面白いと思います。

 

その若者議会のシンポジウムが本日の午後から開催されていたんですが、その裏の時間帯で新城市でソーシャルビジネスをしていく人を増やそう!という内容のフォーラムが新城市主催で開催されていました。

 

なぜ同時期に…?という大人の事情は置いておいて…

なぜソーシャルビジネスなのか?

 

ご存知の方も多いと思いますが、新城市は愛知県で唯一消滅可能性都市に指定された市です。簡単に言うと少子高齢化がグングン進んで、いずれどうしようもない状況になりますよ、今の延長線上で考えてちゃダメだから対策してねってことです。人口が減っていくと税収が減り、さらに高齢人口の割合が増えるので福祉等の負担が増えていきます。そうなると今まで当たり前のように受けてきた行政サービスが受けられなくなってきます。何かを我慢しなければならなくなる時代がじきにやってくるわけです。

そうなると地域の課題はできるだけ地域で解決してやっていこうよ、という住民自治の考え方になっていきます。新城市も住民自治についての考え方はだいぶ進んできているような気がします。

その課題の中でビジネスの手法で解決できるものがあるんじゃないの?ってのがソーシャルビジネスです。地域だけじゃなくて大きな社会問題まで本来含めるんですが、新城の場合は地域内課題解決を目的としているような気がします。

 

なぜビジネスの手法で解決していった方が良いのかというと、先述のとおり税収が下がると税金に頼らないで継続できる方法を探さなければなりません。そこで継続的に活動していけるような収益を生む仕組み(=ビジネスモデル)を作っていく必要があります。何かを売るのかもしれないですし、寄付や会費を集めるのかもしれない。決して自腹を切ってボランティアでやっていくものではありません。

 

そんな社会や地域の困りごとを何とかしたいって思ってしまった人が、いわゆる社会起業家という人でソーシャルビジネスの担い手になっていきます。彼らは本来、儲けにくいところでビジネスを行うのでとても大変です。一般的にヒト・モノ・カネが集まりにくいんですが、想いを持って活動しているうちに志を同じくする仲間ができたりして周囲を巻き込んでいくのが特徴です。

 

そんな貴重な変態(?)が地域に生まれたときにちゃんと地域で手を差し伸べて育てていけるのか、というのが今回のフォーラムのテーマでした。

新城市は一つの仮説を立てました。

 

ソーシャルビジネスをやりたいという人に、地元の中小企業から人を出してもらい支援できないか…

 

企業で培った技術やノウハウ、知恵、販路、ネットワークなどを借りて、起業家を支援することで彼らの行う地域課題の解決を手伝ってもらうようにしよう、と。人を出す企業側にももちろんメリットがあって、このような支援をすでに進めている名古屋のブラザー工業㈱さんに来ていただき、普段の仕事ではできない人材育成になっているとお話しをしてくださいました。このように企業から出てきて起業家を支援する人をプロボノと言います。

 

来年度(H29年度)から新城市は市内のプロボノを増やしていくアクションを起こし、実際にH30年度からはそのプロボノたちと一緒に起業家を支援する体制を作るそうです。

ここで大事だなぁと思うのは、起業家自身を支援するんじゃなくて、起業家を支援するところを支援するって部分だと思うんです。

行政→起業家  ではなく  行政→支援機関(プロボノたち)→起業家

ってこと。

真ん中の支援機関にテコ入れすることで、支援ノウハウや経験が蓄積されますし、多くの起業家を支援できるので税金の費用対効果が高くなると思われます。そして地域で支援する体制があるとするならば、移住して挑戦したいって思う人も増えるんじゃないかなぁと思ったりもします。

 

他にも中間支援機関のメリットがあるんですがそれはまた別稿に寄せるとして、新城市でこのような取り組みが行われ始めたことに感動をしているわけです。この地域は新しい挑戦について結構奥手な人が多いんですが、一番腰の重そうな行政がこういうことをやり始めているのはありがたいというか、希望が見えてきたというか…

うまくいくかどうかわからないけれども、やってみないと分からないってのが挑戦です。これからどうなっていくか見ていきましょう!